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プティ・パパ・ノエル

フランス語で Noël ノエルとはクリスマスのこと、petit プティは「小さい」とか「少し」という意味ですが、よく愛情をこめて、mon petit cheri モン・プティ・シェリ(愛しい人)や、mon petit chou モン・プティ・シュ(かわいい坊や)といった感じでプティを使います。日本のキャット・フードにもこんな名前があったような・・・。そんなわけで、プティ・パパ・ノエルもサンタのおじさんへの愛情が感じられますね。

1946年にTino ROSSI ティノ・ロッシによって歌われたプティ・パパ・ノエルは、最初、リシャール・ポチエ監督の映画「運命」のクリスマス・シーンで歌われました。作詞はレイモン・ヴァンシ、作曲アンリ・マルティネ。戦後フランスのクリスマスソング最高傑作として、現在でもフランスで1番歌われています。今までに、いろんなアレンジで多くの歌手がカバーしていますが、なぜか日本ではあまり知られていません。こんなに愛らしい曲、もっと広く知ってほしい!! と思い、さわち、訳詞をしました。そしてライヴなどで歌いはじめました。ライヴで歌っていて、そして訳詞をしていて気付いたことは、子供のための歌ではなく、大人のためのクリスマスソングだということ。子供達がサンタさんにお願いをしていますが、そんな子供時代にもどっている自分に気づかされます。あるいはこんな子供たちであってほしいという大人の願いがこの歌にこめられるような気がします。そして2012年、日本語の歌詞でレコーディングが出来たこと、本当にうれしいです。

ティノ・ロッシのことも

創唄者ティノ・ロッシは、1907年コルシカ島に生まれました(コルシカ島といえば、あのナポレオン・ボナパルトと同じ出身地ですね)。本名はティノではなくコンスタンタン。なんだか可愛いぃ。端正なマスクに、あまい美声、そしてコルシカ島出身の独特の訛りさえも魅力のひとつ。戦前から日本でもレコードが発売されていて、当時はるか遠くの異国に思いをはせ、楽しまれた方もいたでしょうね。1983年の秋に亡くなるまで、2000曲のレパートリー、1億数千万枚のレコードを売り上げました。

ノエルといえば

クリスマスのことをフランスでNoëlノエル、イタリアではNataleナターレ、ドイツではWeihnachtenヴァイナハテン、スペインはNavidadナビダ― ・・・・とその名もいろいろですね。

日本でノエルといえば、bûche de Noëlブッシュ・ド・ノエルというクリスマスケーキでこの名になじみがあるかと思います。このクリスマスケーキ、その形からも想像できますが、“クリスマスの薪”という意味。その昔、クリスマスには暖炉で大きな薪を一晩中燃やしつづける習慣がありました。途中で火が消えてしまうのをとても怖れたそうです。そして現代、その名残がケーキとなったというわけです。しかしながら最近は、クリスマスのごちそうでお腹がいっぱいになった後、クリームたっぷりのケーキは重く、アイスクリームケーキにする家庭も多いのだとか。

サンタクロース

サンタクロースイメージ

みなさんは何才まで信じていたでしょうか。わたしは物心ついて間もなく、サンタのおじさんは、近くにいる成人男性(それは父であったり、親戚のおじさん、あるいは親の知人)だということに気づきました。

たぶん、5才くらい。にもかかわらず、サンタさんがプレゼントを持ってきてくれるというシステムが大好きで、中学1年生のときには、サンタクラブなるものにまで入りました。雑誌か何かで見かけたもので、入会金を払うと、会員カードを送ってきてくれましたが、会費を払い続ける勇気(いえ、お小遣い)がなく、その後そのクラブがどうなったのかは記憶にありませんが・・・。

さて、サンタクロースといえば、白いひげに、赤の上下の服ですが、一朝一夕にこの姿に落ちついたのではないということをご存知ですか?
挿絵画家のトーマス・ナストがクレメント・クラーク・ムーアの物語詩「聖ニコラスの来訪:それはクリスマスの前夜のこと」に絵をつけたのがそもそものはじまり。それまでは、バラバラだったサンタさんのイメージを太っていて笑っている(その昔、サンタさんは日本のなまはげのように怖い存在の時期もありました)イメージを定着させました。

そして、さらに現在のイメージに仕上がったのは、1920年代にコカ・コーラの広告を描いたハドン・サンドブロムによって描かれたサンタクロース。クリスマスシーズンのコカ・コーラ社のポスターに登場したサンタクースは、頬が赤く、白くて長いひげをつけて、白い毛の縁取りのついた赤いガウン。この赤はもちろんコカ・コーラレッドでした(それまでのサンタさんの服は赤と決まっていたわけではなかったんですね)。

サンタクロース、ペール・ノエル(フランス)、プティ・パパ・ノエル(フランス)、ファーザー・クリスマス(イギリス)、ヴァイナハツマン(ドイツ)、バッボ・ナターレ(イタリア)・・・呼び方もいろいろですね。

クリスマスツリー

11月の終わりころからクリスマスツリーを飾るのが子供の頃からの楽しみのひとつ。大人になってからは、忙しくて飾れない年もあるのですが、それでも毎年新しいオーナメントが気になります。伝統的なオーナメントは、星の形や、赤いリンゴ、ヒイラギ、ベル・・・といろいろありますが、それぞれに意味がこめられているそうです。音楽にたずさわっている私のお気にいりは、やはり楽器のかたちのオーナメント。ロマンティックでもあり、自分の音楽への思いも込められているような感じがしてます。ツリー自体は、日本ではイミテーションの木を毎年くりかえし使うことの方が多いですね。本物のモミの木に一度でいいから飾りつけしてみたいものです。ちなみにクリスマスツリーはドイツからはじまった風習だそうですよ。

クリスマスソング

私たちは、クリスマスシーズンに、街に流れている曲や、口ずさんでいる曲はすべてクリスマスソングと呼んでいますが、外国の方と話していて、「これはクリスマスソングではない」と言われることがあります。それは教会などで歌われるものと、映画の中や歌手がうたってヒットした曲とを区別しているようです。後者がクリスマスソングというわけです。たとえば、フランスでは同じ「きよしこの夜」でも教会などで歌われる歌詞とクリスマスソングの歌詞があり、クリスマスソングの方は、歌手が新たに歌詞をつくったり、歌いたい歌詞でうたっていて、とっても自由。私もさわちヴァージョンの「きよしこの夜」をつくってみようかしら・・・と夢は広がります。

またクリスマスソングといっても、「ウィンターワンダーランド」などは、よくみるとクリスマスに直接関係する言葉がありません。でもとてもクリスマス気分。不思議なものですね。